2017.04.03

35歳でこの世を去った天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスですが、彼のDNAのを受け継ぐ子供たちが4人存在します。ジャコの最初の妻である、トレイシーとの間に授かったメリーとジョン。そして2番目の妻であるイングリッドとの間に授かった双子のジュリアスとフェリックス。

やはり天才の子供は天才なのか、気になるところではあります。

今回は天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスの子供たちについてまとめてみました。




John and Mary

メアリーはシンガー、ソングライター、プロデューサーとして活動されており、ジョンもメアリーのアルバムにドラムで参加されているらしいです。かつてはクイーン・メアリーというバンドでも活動されていました。 映画「JACO」のサウンドトラックにはメアリー・パストリアス名義で「Longing」という曲で参加されています。

現在、ジョンとメアリーはジャコが残した音楽的資産管理をするための活動もされているとのこと。

Julius and Felix

1982年生まれの双子の兄ジュリアスはドラマーとして、弟のフェリックスはベーシストとして活動されています。母、イングリッドの薦めでふたりは幼い頃はヴァイオリンとピアノを習っていたそうです。母親であるイングリッドは2011年に61歳という若さでこの世を去っています。 ふたりはフュージョン系のインストゥルメンタルバンド、「ウェイ・オブ・ザ・グルーヴ」としても活動されています。

弟のフェリックスは2012年から2014年までの間、ジャズ・フュージョン界のベテランバンド、イエロージャケッツにも在籍していました。フェリックス在籍時のアルバム「A Rise in the Road」のレコーディングではメタリカのベーシストであるロバート・トゥルージロから「Bass of Doom」を借りて使用されたとのこと。

「Bass of Doom」に関してはこちらの記事をご覧下さい。
ジャコ・パストリアスと「Bass of Doom」にまつわる物語!

フェリックスの使用機材についてですが、ベースはフォデラのエンペラーⅡの本人の6弦カスタムモデルがメインとなっているようです。アンプはアギュラーのものを愛用されており、エフェクターに関してはMXR、エレクトロハーモニクス、アギュラー等を好んで使用されておられます。

David Pastorius

ジャコ・パストリアスの子供ではありませんが、甥である、デヴィッド・パストリアスについても触れておきたいと思います。

1977年アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス生まれですが、生まれた翌年にフロリダ州メルボルンに移住。現在もフロリダを中心に活動されておられます。

ベースを始めたのは15歳の頃からで、幼少期は音楽よりゲームやスポーツの方が好きだったそうです。ベースを始めたきっかけは伯父のジャコではなく、友人がレッチリの「Higher Ground」をベースで弾いているのを目の当たりにしたことだったそうです。それまでベースがどういったものかをほとんど知らなかったとのこと。また、ベースを始める際、好きだったゲームを質屋に売ってベースを手に入れたんだとか。

始めた当初はレッチリやスイサイダル・テンデンシーズ、フェイス・ノー・モアを特に好んでいたとのこと。ある程度弾けるようになってからジャコの偉大さ、魅力が理解できるようになったとのこと。実際ジャコ本人に会ったことがあるのも2、3回程しかないそうです。

地元のバンドを渡り歩いたのち、18歳の時にジャコの娘で従姉妹にあたるメアリーがヴォーカルを務めるバンド、クイーン・メアリーに参加し始めます。その後も精力的に様々なライブやレコーディングに参加し続け、2003年にはジャコ・パストリアス・ビッグバンドを率いていたピーター・グレイヴスから声がかかり、アルバム「Word of Mouth Revisited(ワード・オブ・マウス 新伝説)」に参加されます。伯父の七光りにとどまらない実力がジャコのファンの間でも話題となり、徐々に知名度も上がっていきます。2006年にはジャコ・パストリアス・ビッグバンドとともに来日もされています。

そして、2001年に結成した自身が率いるバンド、デヴィッド・パストリアス&ローカル518でも2007年にデビューしています。ローカル518はミクスチャーロックを基盤にしながらもジャズ、ファンク、ラテン、ヘヴィメタル等様々なジャンルを取り入れたジャムバンドで、曲はインストゥルメンタルのみとなっています。

使用機材はフェンダーのジャズベースをメインで使用されていますが、ピックアップはEMGに交換されており、アクティブ仕様となっています。アンプはハートキーのHA3500と410TPのものを愛用されています。本人は機材関係にはうとく、あまり興味がないそうです。

プレイスタイルは伯父のジャコとは違い、豪快な高速スラップを多用されます。

Nonedavidpastorius.com

おわりに

やはり親や親戚が有名であれば、どうしても比べられてしまうのは仕方ないことかもしれません。七光りと言われたことも少なくないでしょう。もちろん親が音楽家であるが故の恵まれた環境も少なからずあるとは思いますが。特にジャコと同じベーシストであるフェリックスや甥のデヴィッドはどうしても比較対象にされていたと思います。しかし彼らはそれを受け入れ、乗り越えてきたのでしょう。

彼らは今後ジャコのようにベース界に革命は起こせないかもしれませんが、ジャコのDNAと魂はしっかりと受け継がれ、活かされているのではないでしょうか。もちろん本人たちの惜しみない努力があってこそだとは思いますが。