2015.11.16

ベーシストのみなさん、普段ピックで弾く際にしっかりと弦にあたる角度を意識して弾いておられるでしょうか??あまり意識せずになんとなく弾いてしまっているなんて方も中にはいらっしゃるかもしれません。

ピック弾きと言っても、弦にあてる角度によってかなり音質等が異なってきます。今まで意識せずに弾いていたという方は是非この機会に実際、ピックのあてる角度を変えながら弾いてみて、その違いを体感してみて下さい。

今回はピックを弦にあてる角度についてお話していきたいと思います。




平行

ベースのピック弾きでは弦に対してピックを平行にあてるのが基本とされています。平行にあてることによって抜けの良い太く大きな音を出すことができます。また、弦との摩擦によるガリガリといったピッキングノイズも出にくいと言えるでしょう。

しかし、ピックが弦にあたる面が大きい分、弦とピックの抵抗が強くなり、ピックが弦に引っかかりやすくなります。特にベースだと、弦も太く、テンション(弦の張りの強さ)も強いため、ある程度しっかりと力を入れてのピッキングが必須となります。

1曲通してとなると地味に結構きついと思いますが、慣れるまで頑張って練習しましょう!

特にこだわりがなければ基本とされている、平行にあてるピック弾きをまず最初に身に付けておくべきかと思います。

順アングル

上から見たピックの表面を下側(ブリッジ側)に傾けてあてるのが「順アングル」、または「正アングル」と言われています。

2015.11.16_02

この弾き方だと、ピックが弦にあたる面が小さいため、引っかかることも少く、弾きやすく感じるかと思います。細かいフレーズを弾くのにも適しているでしょう。

しかし、順アングルの場合ピックが弦にあたる際、ピックが弦を滑ってしまい、しっかりと力が伝わりきらないため、他のあて方と比べると太く抜けの良い音を出すのは難しくなってしまいます。また、同じ理由により、ピッキングノイズが出やすくなってしまいます。

ただ、ピッキングノイズに関しては完全に好みの問題なので、嫌いじゃない人はあんまり気にする必要はないかと思います。むしろピッキングノイズも音色の要素のひとつとして捉える人もおられます。

逆アングル

順アングルとは反対に上から見たピックの表面を上側(ネック側)に傾けてあてるのを逆アングル、通称佐久間式ピッキングと呼ばれているものになります。

2015.11.16_03

逆アングルでのメリットとしては音の立ち上がりが早く、パンチのある芯の太い音が出せることでしょう。海外では黒人系のギタリストは逆アングルで弾く人が多いみたいです。

ポイントとしてはピックを弦にあてるというよりは振り抜く感じで弾きましょう。そして振り抜く一瞬にだけ力を入れます。あとは振り抜くスピードも重要となります。振り抜くスピードが早ければ早いほど大きい音が出ます。

しかし、平行にあてる時以上にピックが弦に引っかかる感じがするので慣れないうちは非常に弾きにくいでしょう。変にピックを持つ方の手首に角度をつけず、親指が上向きのスラップと同じ感覚で弾くと比較的楽に弾けるかと思います。

生前の佐久間正英氏本人による逆アングルピッキングについて、詳しく解説してくれている動画があるので、興味のある方は是非ご覧になって下さい。

まとめ

ベーシストにとってピック弾きって結構軽視されがちな奏法じゃありませんか??でも実は非常に奥が深い世界なんです。

ピックをあてる角度によって音色やニュアンスが大きく変わってきます。好みや出したい音色にもよると思いますが、表現の幅を広げるためにも、一通り覚えておいて損はないかと思います。

特にピック弾きがメインという方はそれぞれしっかりマスターして、楽曲やフレーズによって使い分けてみてはいかがでしょうか!?