7月も中旬になりました。今年は全国的にまだ梅雨が明けていませんが、もう夏は目の前です!
暑い夏になるとレゲエを聴きたくなる方も多いかと思います。
レゲエと言っても細かく分ければ色々とありますが、簡単に分かりやすく説明すると1960年代後半にジャマイカで発祥した音楽ジャンルのひとつで、4分の4拍子の2拍目と4拍目にギターのカッティングやキーボード等でアクセントが置かれています。
リズムは言葉で表すのは難しいのですが、イーブンとシャフルの中間という感じで完全にはハネていないんですが、微妙にハネた感じのリズムが多用されています。
歌詞も政治的批判的なもの等、メッセージ性の強いものが多いのが特徴と言えるでしょう。
最近では国内のレゲエアーティストもかなり増えてきて、日本でもシーンとして確立してきているので、耳にする機会も増えてきているとは思いますが、ベーシストとしては少しとっつきにくいジャンルではあるかと思います。
そんなレゲエにおけるベースについて今回はお話していきたいと思います。
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レゲエ・ベースの特徴
レゲエのベースラインは音数の少ない非常にシンプルなものが多いです。そしてなんと言ってもベースの音がデカい!
レゲエベースを弾くのに小手先のテクニックなんてものはあまり必要ありません。ただ、だからと言って簡単かと言われれば決してそんなことはありません。
グルーブのニュアンスをつかむのが非常に難しいです。
先程も述べましたが、リズムが非常に独特で、ハネているようで完全にハネているわけでもないんです。この感覚はやはり実際に何度も何度もレゲエを聴いて体感するしかないと思います。
僕もかつて雑誌でレゲエ・ベースに関する記事をいくつか読んだのですが、レゲエのベースは弾くより聴いて学んだ方が早いとおっしゃるプロの方々が多かったです。
音色的なことで言えば低域を大胆にブーストさせた、図太い重低音が特徴です。
レゲエにおいてはドラムのバスドラムを中域に寄せたアタック重視の音色にし、ベースがバスドラムより低い音域を担うという場合も多いです。
レゲエのベースラインがシンプルな理由はこういった全体のサウンド面も関係しています。
低音出しまくりの状態でフレーズを細かく動かしすぎても、聴いてる側はただ低い音が鳴ってるだけで、どんなフレーズか聴き取りにくいいはず。
空間(休符)を活かすのも、ベーシストにとっては大切なテクニックのひとつです。
レゲエ・ベースとは「弾きすぎない美学」だと個人的に思っています。
音作り
手っ取り早く、図太いレゲエのベースサウンドを作る方法として、まずベース本体のトーンを絞るといった方法があります。トーンを絞ることで高音域が削られ、それっぽい音色に近づくかと思います。
ピックアップがふたつある場合はフロント寄りにすることで更に良い結果が得られるかもしれません。
また、ブリッジ付近にスポンジ等のミュートをかますことで倍音が抑えられたマイルドな音色になります。
弦をフラットワウンドのものを使用すると手もあります。
フラットワウンド弦に関する記事はこちら↓
・ベースは弦で変わる!弦を厳選するための知識 構造・巻き方編
ベース本体でいうとパッシブのベースの方が合うかと思います。むしろレゲエ界のベーシストでアクティブのものを使っている人はあまりいないのではないでしょうか?
ダンスホール系であれば、アクティブのギラギラした感じも合わなくもないとは思いますが。
Home Grownのベーシスト、Tanco氏はスタインバーガーのベースを主に使用されていますが、パッシブで使用されているらしいです。
どんなベースでもそこまで問題はないと思いますが、レゲエベーシストだとジャズベースやプレシジョンベースを使用されている方が多いかと思います。ウッドベースを使用している人も結構いたりします。
また、バスドラムより低い帯域を担うこともあるので、イコライザーで120ヘルツ以下をすべてカットし、ベースは40~120ヘルツまでの帯域だけ出すなんて人もいます。
それぞれ好みや環境的な問題もあるとは思いますが、手軽にできることもあるので色々と試してみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回はざっくりと簡単にレゲエ・ベースのお話させて頂きましたが、かなり奥の深い世界なので、僕も今後また色々と探っていきたいと思っています。
レゲエはわりとクセのあるジャンルなので、好き嫌いがはっきり分かれるとは思います。ベースラインもシンプルすぎてつまらんと感じるかもしれませんが、シンプルだからこそ一音一音の重みを感じられる音楽だと僕は思っています。
最後に2012年に54歳の若さでこの世を去った伝説のベーシスト、松永孝義氏率いる日本のレゲエ界のレジェンド、MUTE BEATの曲を貼っておきます。
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