本日12月1日はジャコ・パストリアスの生誕日です。生きていれば65歳を迎えておられました。
卓越したテクニックと抜群のセンスを持ち合わせた天才がこの世を去って、来年の2017年で30年となります。
1970年代半ばに彗星のごとく登場し、一気にスターダムにのし上がったものの、わずか数年で路上生活へと転落し、35歳という若さで帰らぬ人となった男の生涯に迫るドキュメンタリー映画が12月3日より、全国で順次公開されていきます。
今月のベースマガジン、2016年12月号の表紙にもなっているので、既にベーシストの間ではかなり話題になっておりますが、今回は映画「JACO」についてお話をしていきたいと思います。
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待ちに待った日本での公開
この「JACO」という映画はアメリカでは既に2015年に公開され、数々の映画祭で話題となっていました。
映画祭、受賞に関しては下記の通りとなっております。
・2015年 SXSW映画祭 長編ドキュメンタリー部門 審査員大賞 ノミネート
・2015年 フォートローダーデール国際映画祭 ドキュメンタリー部門 特別審査員賞 受賞
・2015年 アテネ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞 受賞
・2015年 ミュンヘン国際映画祭 出品
・2015年 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭 出品
・2016年 チャナヌーガ映画祭 観客賞 受賞
・2016年 ダウンタウン映画祭L.A. 音楽ドキュメンタリー賞 受賞
2015年11月に輸入盤のみDVD、Blu-rayが国内でも発売され、日本語字幕がないにも関わらず発売当初、店頭やネット上でも軒並み品薄状態となっていたそうです。
日本での公開はないままかと思い込んでいましたが、来年2017年に没後30年を迎えるということもあり、株式会社パルコ、タワーレコード株式会社、株式会社リットーミュージックの3社による合同事業として国内での公開が実現することとなりました。
そしてジャコの生誕日である、本日12月1日には新宿シネマカリテにてジャパンプレミアとしてトークショー付きプレミア上映会が開催されます。残念ながらチケットの方は既に完売してしまっています。
上映後のトークイベントには日野“JINO”賢二氏、元ADLIB誌編集長の松下佳男氏、タワーレコードの田中伸明氏、ベースマガジン編集長の近藤隆久氏が登壇される予定となっております。行かれる方々は楽しんできて下さい!
ジャコとトゥルージロ
監督は『ストーンズ・イン・エグザイル~「メイン・ストリートのならず者」の真実』や、X JAPANのドキュメンタリー映画「We Are X」を手掛けたスティーヴン・キジャックですが、制作総指揮はジャコを「青春時代のヒーローだった」と崇拝しているメタリカのベーシスト、ロバート・トゥルージロが行っています。
トゥルージロはジャコのプレイを4回生で観たことのことで、特に1985年に開催された ロサンゼルス・ギターショーでのプレイは今でも鮮明に覚えているそうです。
また、ジャコが生前長きに渡って愛用していた「Bass Of Doom」と呼ばれるジャズベースとトゥルージロのエピソードは有名かと思います。
ジャコが他界する数ヶ月前に盗難に遭い、長期間行方不明になっていた「Bass Of Doom」ですが、ニューヨークのあるコレクターが所有していることが判明し、遺族が返却を求めるも当時の所有者が拒否したため、法廷争いになりかけていたところ、トゥルージロが取り戻す資金を支援したそうです。遺族は深く感謝すると共にトゥルージロに「Bass Of Doom」を託したとのこと。
そもそもトゥルージロとジャコの親族が出会ったのは、トゥルージロの友人であるサーフ仲間のバーテンダーがフロリダ州南東部のフォート・ローダーデールに住んでいて、たまたまジャコの長男ジョンにドリンクを作っていた際、クレジットカードの名前を見て話しかけたのがきっかけだったとのこと。
ジョンもトゥルージロが所属していたスイサイダル・テンデンシーズのファンで存在は知っていたそうで、 友人がトゥルージロにそのことを電話で話し、その後トゥルージロがジョンに会いにフォート・ローダーデールへ行き仲良くなったそうです。最初に会った時からトゥルージロはジョンに「君のお父さんについての映画を作りたい」と話していたんだとか。
ジャコの娘のメアリーや甥のデヴィッドともジョンを通じて知り合ったそうです。ちなみにメアリーはシンガーで映画のサントラにも参加されています。
豪華アーティストの出演
トレーラーを見ればお分かりになるかと思いますが、かなりの豪華アーティストが出演されておられます。
フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、ジョニ・ミッチェル、スティング、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、ゲディー・リー(ラッシュ)、ブーツィー・コリンズ、カルロス・サンタナ、ジェリー・ジェモット等がジャコの音楽家としての魅力を語っておられます。
出演している方々の名前を見れば、ジャコを知らない人でもいかに彼が素晴らしいミュージシャンであったかはお分かりになるのではないでしょうか。
サントラの方にも様々なアーティストが参加しているんですが、トゥルージロを擁するMass Mentalの「Come On, Come Over」のカバーが個人的には最強かなと思います。この曲にはレッチリのフリーも参加されているようです。
こんなライブ映像もありました。
関連動画
おわりに
個人的にジャコがメチャクチャ好きというわけではないので、「ジャコ・パストリアスの肖像」ぐらいしかCDも持ってませんし、ウェザー・リポートもレンタルで借りたことはあるものの、正直しっかりと聴き込んだりはしてませんが、現在でも彼のプレイスタイルはジャンルを越え、様々なベーシストに影響を与え続けているというのは紛れもない事実なので、自分もベーシストとしてこれを機に足を踏み入れてみようかと思います。
僕の住んでいる関西は12月10日から大阪梅田のシネ・リーブル梅田にて公開されるようなので、是非足を運んでみたいと思います。
観てきたら感想なんかもまた記事にしようかと思っています。
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