2017.12.02
出典: SCANDAL 『恋するユニバース』 – YouTube

日本の人気ガールズ・バンド「SCANDAL」が日本人女性アーティストとして初めてFenderとエンドース契約を結んだことが先日発表されました。また、フロント3名のシグネチャー・モデル、「HARUNA TELECASTER」、「MAMI STRATOCASTER」、「TOMOMI PRECISION BASS」の発売も同時に発表されています。

2014年にも日本人女性アーティストとして初めてFenderの兄弟ブランドであるSquierからフロント3名のシグネチャー・モデルが限定生産され、瞬く間に完売し再販もされています。今回はそれに続くモデルとして注目を集めています。

新たなシグネチャー・モデルは昨年2016年末からFenderと何度もディスカッションを重ね、2017年7月にプロト・タイプが完成して以来、ライブやミュージック・ビデオで品人たちがすでに使用されているので、目にしたことがある人も多いかと思われます。

今回はベーシストのTOMOMI氏の新たなシグネチャー・モデルである「TOMOMI PRECISION BASS」の詳細や本人の使用機材などについて触れていきたいと思います。




TOMOMI PRECISION BASS

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出典: Fender

以前、Squierから発売されたシグネチャー・モデルはジャズ・ベースでしたが、今回は杢目(もくめ)がきれいなナチュラル・カラーのボディに赤いべっ甲のピックガードが特徴のプレシジョン・ベースとなっています。製品の特性上、杢目や色合いは1本1本異なるそうです。

ルックス、トーンともにありそうでなかったヴィンテージ・モデルに仕上がっているとのこと。また、ネックは本人の手が小さく、細い方が好みだということで、ジャズ・ベースタイプのものを採用。エッジも削られており、プレシジョン・ベースでありながら握りやすい仕様となっているようです。ヘッド裏には本人のシグネチャーが記されています。

そのほか、主なスペックは以下の通りです。

・ボディ:アルダー(サテン・ポリウレタン・フィニッシュ)
・ネック:メイプル(サテン・ポリウレタン・フィニッシュ)、”U”シェイプ
・指板:ローズウッド、7.25インチR(184mm R)
・ピックアップ:American Vintage 63
・コントロール:マスター・ボリューム、マスター・トーン
・スケール:34インチ(184mm)
・フレット:20フレット、Vintage-Style
・ブリッジ:Vintage-Style
・ペグ:Vintage-Style
・ナット:シンセティック・ボーン、1.496インチ(38mm)

実売価格は税込み14万5,800円となっています。

小川知美

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出典: SCANDAL Official website

1990年5月31日生まれ、兵庫県加古川市出身。

2006年、在学していたCaless Vocal & Dance Schoolの講師の勧めで楽器を始め、同じスクールに通っていたほかのメンバーとSCANDALを結成。当時、楽器経験がほとんどなく、最初はギターを手にしたそうですが、1週間で断念。その後ベースに転向されたとのこと。

結成後間もなく、大阪城公園でのストリート・ライブなどの活動を開始され、2008年にメジャー・デビュー。2009年には日本レコード大賞で新人賞を受賞。日本のみならず、海外での活動も積極的に行っておられます。

好きなアーティストとして、Red Hot Chili PeppersやRage Against The Machine、Hi-STANDARD、THE BLUE HEARTS、YUKI、The Jackson 5、モーニング娘。などをあげられています。

愛車はBMWのMINIだそうです。

使用機材

ベースをはじめ、アンプやエフェクターなど、彼女がこれまで使用されてきた主な機材についてまとめてみました。

ベース

・Fender Mexico Deluxe Active Jazz Bass

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出典: teena

2008年のデビュー当時メインで使用されていました。ピックガードはブラック・パールのもの交換されているほか、ムスタング・ベースが好きということでキャンディ・アップル・レッドのボディにはストライプが加えられています。愛称は「ゆうすけ君」だそうです。サブとして同じモデルと思われる黒いジャズ・ベースも使用されていました。

・Fender USA American Standard Precision Bass

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出典: teena

2010年頃から使用されています。Red Hot Chili Peppersのフリーが好きということでボディもヘッドも銀ラメ仕様に。このベースのボディにもストライプが施されているほか、ピックガードはミラーのものに交換されています。愛称は「サバオ」。光りものといえば寿司ネタの鯖だろうということで、Twitterで名前を募集して決まったとのこと。

・Fender Coronado Bass II

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出典: ライブドアニュース

1967年製で、ライブのアコースティック・コーナーで使用できそうなベースを探していたところ、2011年に入手されたそうです。愛称は「コロ助」。3rdアルバム「BABY ACTION」に収録されている「Very Special」のレコーディングでも使用されているとのこと。

・ESP TOMOMI×soyoka オリジナル“宇宙”ベース

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出典: teena

音楽、芸能、ファッションなどのエンターテイメントに興味のある10代を支援するサイト「teena」の連載企画「BASS TSUCOOL」にて、Bye Bye Boyのsoyoka氏とともにESPの協力のもと、2012年に製作されたモデル。アイデアを考えるだけでなく、実際の製作作業にもふたりが携わってつくられた1本とのこと。

・Squier TOMOMI JAZZ BASS SKY BLUE

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出典: 島村楽器

2012年3月28日に行われた日本武道館のライブにて披露され、その後、2014年に限定生産というかたちで市販もされたモデル。パッシブ仕様で、ジャズ・ベースとプレシジョン・ベースの中間の音色を求めて製作されたとのこと。愛称は「ブルータス」。

・YAMAHA BB2024X

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出典: ヤマハ

2012年秋のツアー「Queens are trumps -切り札はクイーン-」からライブで使用されています。主にロック色の強い曲で使用されることが多かったようです。ネックは本人の手の大きさにあわせてエッジを削って細くされているとのこと。

・Fender Deluxe Active Precision Bass

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出典: BARKS

ライブでは2012年のクリスマス・ライブ「BEST☆Xmas4」から使用されています。彼女のトレード・マークともなっているストライプはこのベースのボディにも施されています。ボディの形状やピックアップのレイアウト以外は赤いFender Mexico Deluxe Active Jazz Bassとほぼ同じ仕様となっているようです。新たに発売されるシグネチャー・モデルを手にするまでは使用頻度が一番高かったベースです。

・ERNIE BALL Music Man 20th Anniversary StingRay

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出典: BARKS

2013年秋のホール・ツアー「STANDARD」から使用されるようになった、スティングレイの20周年記念モデル。ボディのトップには見た目が美しいキルテッド・メイプルが使用されており、バックはマホガニーとなっています。発売は1996年で、1,250本のみ生産された貴重なモデルです。

ちなみにはじめて手にしたのはIbanezのエントリー・ユーザー向けのGIOというシリーズのベースとのこと。

アンプ

現在、メインで使用されているのはヘッド、キャビネットともにFenderのBassmanです。ヘッドは1973年製、キャビネットは1975年製でスピーカーが4発搭載されているとのこと。

以前はAshdownのABM-500 EVO ⅢとNEO 810の組み合わせを愛用されていたほか、AmpegのSVT-2PRO、SVT-3PROなども使用されていました。

エフェクター

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出典: SCANDAL OFFICIAL BLOG Powered by Ameba

デビュー当時からTECH 21 SansAmp Bass Driver DIを好んで使用されていましたが、最近ではPIKE AMPLIFICATIONのVULCAN XLが代わりに使用されるようになっているようです。

そのほか、よく使用されているものとしては、MXR M80 Bass D.I.+、同じくMXR M108 Ten Band EQ、EBS MultiComp、BOSS SYB-5 Bass Synthesizer、Fender Sub-Lime Bass Fuzz Pedalなどになります。

エフェクターではありませんが、BOSSのチューナー、TU-2や各エフェクターをコントロールするProvidenceのPEC-2などボードには組み込まれています。また、DIとしてAVALON DESIGNのU5も使用されておられました。

おわりに

今回、Fenderから発表された3名のシグネチャー・モデルはそれぞれすでに11月17日より予約販売が開始されており、発売は12月下旬予定となっています。

ベーシスト的な目線で見ても、プレシジョン・ベースの音は好きだけど、ネックが太すぎるといった人、特に女性ベーシストはSCANDALファンでなくても一度、店舗で手にしてみる価値はあるのではないでしょうか。

SCANDAL Official website