2015.12.03

たまに「ノリ」重視だから、メトロノームは必要ないとか、クリックに合わせてると「ノリ」が出ないとか言ってる人がいます。そもそもそういう人が言っている「ノリ」というのはどういう意味なのでしょうか?

おそらく、「感情に身を任せて」的なことなんだと思うのですが、ひとりでギターを弾きながら歌うのであれば別にそれはそれで構わないでしょう。しかし、何人かで集まって演奏するとなるとそうはいきません。

それぞれが自分の気持ちいいように、好き勝手に走ったり、モタったりしていては聴いている方はただのぐちゃぐちゃの演奏にしか聴こえないでしょう。

今回はメトロノームを使って練習する重要性についてです。




他人を不快にさせないためにも

人それぞれ、リズム感は違うでしょう。だからこそ基準となるものが必要となってきます。それを教えてくれるのがメトロノームです。

また、状況などによってもリズム感は変わってきます。ライブで緊張しすぎていたのか、ドラマーのカウントがやたら早く、そのままめちゃくちゃな演奏になってしまっている人たちを結構見たことがあります。

基本ができないのに応用はできません。何をするにしてもやはり基本というのは大切になってきます。よく「バンドのノリが…」と言っている人に限ってメトロームに合わせて演奏できなかったりします。

メトロノームという基準に合わす基本ができないのに、「前ノリ」だとか「後ろノリ」だとか、応用について語るのはやめておきましょう。それはただ演奏が走ってたり、モタっているだけで、ノリでもなんでもありません。

メトロノームに合わせて演奏できないということは、自分の世界に入りすぎて、人の演奏が聴けてないということです。正直、バンドやアンサンブルでは致命的です。

その人自身は気持ち良くても、他の人は不快です。

そうならないためにも、普段からメトロノームという基準に合わせて練習することが大切になってきます。

しっかりと体でリズムを刻む

慣れないうちは難しく感じるかもしれません。出だしの方は合っているのに段々ずれてきてしまう、なんてことも多々あるでしょう。

メトロノームにばかり気を取られていると演奏がグダグダになってしまい、演奏に集中しすぎるとメトロノームと合わなくなってしまう。

そういう場合はまず、自身でしっかりとリズムを刻みましょう。最初はBPM100ぐらいでメトロノームに合わせてどちらかの足で4分音符を踏んで下さい。慣れてきたら、体全身を使ってリズムを取りましょう。

メトロノームに合わせてしっかり自身でリズムを刻めるようになったら、リズムを刻みながら演奏してみましょう。まずは簡単な短いフレーズ、ベースなら8分音符での刻みをくり返し弾いて、体に感覚を叩き込んで下さい。

足で4分音を踏みながら弾くというのは、簡単そうで実はなかなか難しかったりします。自然にできるようになるまでしっかり意識して弾きましょう。

すぐにできるようになる人もいれば、時間がかかる人もいます。これをおろそかにしているとそのうち痛い目にあうので、諦めず習得するまで頑張って下さい!

メトロノームが合わせてくれる

メトロノームに合わせて演奏することに慣れてきたら、いつの間にか自然にメトロノームが合うようになってきます。最初は一生懸命、音を聴いて合わせにいっていたと思いますが、慣れてくるとメトロノームが自分の演奏に合わせてくれているような感覚になってきます。

それはしっかりと体にテンポが叩きこまれている証拠です。その感覚を体験できれば、次は8分音符の刻みからステップアップして、いろいろなフレーズもメトロノームに合わせて弾いてみましょう。

フレーズが変わればふりだしに戻ったかのように、全然メトロノームと演奏が合わなくなることもあるかと思います。そういう時はまた、ベースを置いてメトロノームに合わせて体でリズムを刻んで下さい。

そして今度は体でリズムを刻みながらフレーズを口ずさみましょう。恥ずかしければ小声でも構いません。

これを行うことによって体にテンポとフレーズが入ってきます。どちらもしっかり体に入ったら、再びベースを手にとって弾いてみましょう。

以前よりはメトロノームに合わせやすくなっているかと思います。これも自分の演奏にメトロノームが合わせてくれているような感覚になるまでくり返し続けましょう。

まとめ

メトロノームに合わせて演奏できない、苦手という方は早めに克服しておくことをおすすめします。ただ、人間なので多少はズレるでしょう。それが当たり前です。

パソコンなどで打ち込んでしまえば、まったくズレないでしょう。でもやっぱりそれはそれで味気なく感じてしまいますよね?

逆に多少突っ込み気味になっている方がかっこいい場合もあります。それは他の楽器も同じタイミングで突っ込んでいることが前提ですが。

レコーディングでもあえてメトロノームを使わずに、全員が一斉に演奏したものを録音する、いわゆる一発録りを好む人たちもいます。

メトロノームに合ってさえいればすべてOKということでもないのですが、他人と演奏する上で最低限のマナーとして身につけておくべきだと思います。